野菜や魚と同じように、日本酒にも「旬」があります。秋になると居酒屋や酒屋で「ひやおろし」の文字をよく見かけるのは、そのためです。
日本酒は、冬に造られる
日本酒の多くは、秋に収穫した新米を使って、秋から春にかけて造られます。気温が低いと雑菌が増えにくく、発酵もゆっくり進むので、きれいなお酒になりやすいからです。
冬に造ったお酒は、すぐに出荷されるものもあれば、蔵で寝かせてから出荷されるものもあります。この「いつ出荷するか」の違いが、季節ごとのお酒を生み出しています。
もうひとつのカギが「火入れ」です。火入れは、お酒を加熱して味を安定させる工程。ふつうは、寝かせる前と瓶詰めの前の2回行います。何回火入れするかで、味のフレッシュさが変わります。
季節ごとのお酒
時期は蔵や商品によって前後します。ここでは一般的な目安を紹介します。
冬〜春:新酒・しぼりたて
しぼったばかりのお酒です。10月ごろから出回りはじめ、年明けからが本番。火入れをしていない生酒も多く、ピチピチとした若々しい味わいが特徴です。うっすらにごった「うすにごり」もこの時期によく見かけます。
春:春酒
桜の季節に合わせた、華やかで軽やかなお酒。桃色のラベルなど、見た目も春らしいものが多く並びます。
夏:夏酒
冷やしてごくごく飲めるように、すっきりと軽い味わいに仕上げたお酒です。アルコール分を低めにしたものもあります。青や水色の涼しげな瓶が目印です。
秋:ひやおろし・秋あがり
冬に造って一度だけ火入れし、夏のあいだ蔵で寝かせたお酒を、二度目の火入れをせずに秋に出荷したものです。9月ごろから出回ります。
「ひや」は寝かせた蔵のひんやりした温度を、「おろし」は大きな桶から小さな容器に移すことを表すといわれます。夏を越して角が取れ、まろやかでうまみのある味わいになるのが魅力です。秋に味が乗ってくることから、「秋あがり」とも呼ばれます。
季節酒の見つけ方と楽しみ方
- ラベルや後で貼られたシールを見る:「ひやおろし」「しぼりたて」「夏酒」など、季節の言葉が書かれています。
- お店の「今だけ」「入荷しました」を聞く:季節酒は数に限りがあり、その時期にしか飲めないものが多いです。
- 同じ銘柄で飲み比べる:同じ蔵のしぼりたてとひやおろしを飲み比べると、「寝かせると味がこう変わる」がよくわかります。
- 季節の料理と合わせる:ひやおろしなら秋刀魚やきのこ、夏酒なら冷奴や枝豆など。旬のもの同士はよく合います。
生酒の新酒は、味が変わりやすいので冷蔵庫で保存し、開けたら早めに飲みきりましょう。
まとめ
- 日本酒は冬に造られ、いつ出荷するかで季節のお酒が生まれる
- 冬〜春は新酒・しぼりたて、春は春酒、夏は夏酒、秋はひやおろし
- ひやおろしは、火入れを1回だけにして夏を越した、まろやかな秋のお酒
季節の一杯を、記録に残そう
季節酒は、その時期を逃すと来年まで飲めないこともあります。SAKE LOGに記録しておけば、「去年の秋に飲んだあのひやおろし」を、来年また探すときの手がかりになります。
5枚でおさらい
- 01/05日本酒にも旬がある冬に造ったお酒を、いつ出すかで季節のお酒が生まれます。
- 02/05冬〜春:新酒・しぼりたてしぼったばかりの若々しいお酒。生酒も多い季節です。
- 03/05春は春酒、夏は夏酒春は華やかに、夏はすっきり軽く。ラベルも季節らしくなります。
- 04/05秋:ひやおろし火入れを1回だけにして夏を越した、まろやかな秋のお酒です。
- 05/05季節酒は一期一会その季節にしか飲めないことも。SAKE LOGに記録して来年の手がかりに。



