居酒屋のメニューに並ぶ「純米」「吟醸」「辛口」。なんとなく選んでいるけれど、そもそも日本酒って何なのか、説明できる人は意外と少ないかもしれません。この記事では、日本酒の「これだけ知っておけば大丈夫」という基本を、はじめての人向けにまとめました。
日本酒は「米・米こうじ・水」から造るお酒
日本酒は、法律(酒税法)では「清酒(せいしゅ)」と呼ばれます。決まりはシンプルで、次の3つを満たすお酒です。
- 米・米こうじ・水を主な原料にしている
- 発酵させたあと、こして(搾って)造る
- アルコール分が22度未満
原料はほぼ米と水だけ。それなのに、メロンやリンゴのような香りがしたり、ごはんのようなふくよかな味がしたりするのが、日本酒のおもしろいところです。
「清酒」と「日本酒」は少し違う
実は「清酒」と「日本酒」は、まったく同じ意味ではありません。
清酒はアメリカなど海外でも造られています。そこで2015年12月、国産の米だけを使い、日本国内で造った清酒だけが「日本酒」と名乗れるように、国が地理的表示(GI)として定めました。フランスのシャンパーニュ地方で造られたものだけが「シャンパン」と名乗れるのと同じ考え方です。
つまり「日本酒」とラベルにあれば、日本の米を使い、日本で造られたお酒という証になります。
どうやって造られる?ざっくり5ステップ
- 米を磨く(精米):米の外側を削ります。どれだけ残したかを「精米歩合」といい、ラベルにもよく書かれています。
- 蒸す:磨いた米を蒸します。
- こうじを造る:蒸した米にこうじ菌をつけて「米こうじ」を造ります。こうじは、米のでんぷんを糖に変える役目です。
- 発酵させる(もろみ):タンクの中で、こうじが米を糖に変えるのと同時に、酵母がその糖をアルコールに変えていきます。
- 搾る:できあがったもろみを搾って、液体と酒かすに分けます。多くはその後、加熱(火入れ)をしてから瓶に詰めます。
ポイントは4番です。ワインはぶどうの糖をそのまま発酵させますが、米には糖がほとんどありません。日本酒は「糖をつくる」と「アルコールにする」を同じタンクで同時に進めます。これを「並行複発酵(へいこうふくはっこう)」といい、日本酒のアルコール分が15度前後と、醸造酒の中では高めになる理由です。
味のちがいはどこから生まれる?
同じ「日本酒」でも、銘柄によって味はまったく違います。主に次の4つで個性が決まります。
- 米:山田錦、五百万石、雄町、美山錦など、酒造り向きの「酒米」がよく使われます。
- 水:仕込みに使う水の性質で、口当たりが変わります。やわらかい軟水ならやさしい味に、ミネラルの多い水ならしっかりした味になりやすいといわれます。
- こうじと酵母:香りの華やかさや、味の厚みを左右します。
- 造り方:米をどこまで磨くか、醸造アルコールを加えるか、火入れをするかなど。
この「造り方」の違いを表したものが、ラベルにある「純米酒」「吟醸酒」「本醸造酒」などの呼び名です。次の記事でくわしく紹介します。
世界にも認められた酒造り
2024年12月、日本酒や焼酎、泡盛などを造る「伝統的酒造り」が、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。こうじ菌を使い、各地の気候や風土に合わせて職人たちが受け継いできた技術が、世界的な文化として認められたのです。
酒蔵の軒先に下がる杉の葉の玉「杉玉」は、新酒ができたことを知らせる目印です。つるしたての緑から茶色へ変わっていく様子で、お酒の熟成も感じられます。
まとめ
- 日本酒は、米・米こうじ・水から造る、アルコール分22度未満のお酒
- 国産米を使い、日本で造った清酒だけが「日本酒」と名乗れる
- 米・水・こうじと酵母・造り方の組み合わせで、味の個性が生まれる
飲んだ一本を、記録してみよう
基本がわかると、次に飲む一杯がもっと楽しくなります。SAKE LOGなら、ラベルのバーコードをスキャンするだけで銘柄を記録できます。記録が増えるほど、自分がどんな日本酒を好きなのかが見えてきます。
5枚でおさらい
- 01/05日本酒ってなに?米・米こうじ・水から造る、アルコール分22度未満のお酒。法律では「清酒」と呼ばれます。
- 02/05「日本酒」は日本のお米と日本の蔵だけ国産米を使い、日本で造った清酒だけが「日本酒」と名乗れます(2015年〜)。
- 03/055つのステップで造る磨く→蒸す→こうじを造る→発酵させる→搾る。主役は「発酵」です。
- 04/05味の違いは4つからお米、水、こうじと酵母、造り方の組み合わせで個性が生まれます。
- 05/05世界が認めた酒造り2024年にユネスコ無形文化遺産に。飲んだ一本をSAKE LOGで記録してみよう。



