日本酒のラベルには、味を想像するためのヒントがたくさん書いてあります。全部を覚えなくても大丈夫。この記事では、「ここを見れば味の方向がわかる」というポイントだけを紹介します。
ラベルには「必ず書くこと」と「書いてもいいこと」がある
日本酒のラベルは、国の表示基準で書き方が決まっています。
必ず書かれているもの
- 原材料名:「米、米こうじ」など。醸造アルコールがあればここに書かれます。
- 精米歩合:純米酒や吟醸酒などの特定名称酒では、原材料名の近くに必ずあります。
- 製造時期:瓶に詰めた年月です。造った日ではないので注意。
- アルコール分と容量
- 保存の注意:生酒など、加熱処理していないお酒には「要冷蔵」などが書かれます。
蔵が書くかどうか選べるもの
- 日本酒度・酸度:甘辛や味の濃さの目安。裏ラベルにあることが多いです。
- 原料米の品種:山田錦など。その米を半分より多く使ったときだけ書けます。
- 「生酒」「原酒」などの言葉:造り方の特徴を表します(後半で紹介)。
日本酒度:プラスは辛口寄り、マイナスは甘口寄り
日本酒度は、お酒の重さ(比重)を測った数字です。糖分が多いとお酒は重くなり、数字はマイナスになります。糖分が少ないと軽くなり、プラスになります。
- マイナス:糖分が多い → 甘口寄り
- プラス:糖分が少ない → 辛口寄り
酸度:高いと味が濃く、辛く感じやすい
酸度は、お酒に含まれる乳酸やリンゴ酸などの量です。酸が多いと味に厚みが出て、しっかりした飲み口(濃醇)に。少ないと、すっきりした飲み口(淡麗)になります。
もうひとつ大事なのが、酸は甘さを打ち消すことです。日本酒度が同じでも、酸度が高いほうが辛く感じます。レモン汁を足すと甘い飲み物がすっきり感じるのと同じです。
2つを合わせると、味の「地図」ができる
日本酒度を横軸、酸度を縦軸にすると、日本酒は大きく4つのタイプに分けられます。
ただし、これはあくまで目安です。香りや飲む温度、一緒に食べる料理でも感じ方は変わります。数字は「こっち寄りかな」という方向をつかむために使うのがおすすめです。
精米歩合とアルコール分
- 精米歩合:米をどれだけ残したかの割合です。数字が小さいほどよく磨いていて、すっきり華やかになりやすい傾向があります(前回の記事で紹介しました)。
- アルコール分:日本酒は15度前後が多めです。数字が高いとしっかり、低めだと軽やかに感じます。
よく見かける言葉
| 言葉 | 意味 | 味のイメージ |
|---|---|---|
| 生酒 | 一度も加熱処理(火入れ)をしていない | フレッシュでみずみずしい。要冷蔵 |
| 生貯蔵酒 | 加熱せずに貯蔵し、出荷のときに一度だけ加熱した | 生のフレッシュさを少し残す |
| 原酒 | 搾ったあとに水を加えて度数を調整していない | 濃く、アルコール分も高め |
| ひやおろし | 冬に造り、夏を越して秋に出荷する季節のお酒 | 角が取れて、まろやか |
| 生一本 | ひとつの蔵だけで造った純米酒 | 蔵の個性がそのまま出る |
| 樽酒 | 木の樽で貯蔵し、木の香りがついたお酒 | 杉の香りがすがすがしい |
生酒・生貯蔵酒・原酒・生一本・樽酒は、表示基準で意味が決まっている言葉です。ひやおろしは基準での定義はなく、業界の習わしとして使われている呼び名です。
まとめ
- 味の方向を知りたいときは、裏ラベルの「日本酒度」と「酸度」を見る
- 日本酒度はプラスで辛口寄り、マイナスで甘口寄り。酸度が高いと濃く、辛く感じやすい
- 「生酒」「原酒」などの言葉も、味を想像するヒントになる
気に入ったお酒の数字を、記録しておこう
「おいしい」と思ったお酒の日本酒度や酸度を並べてみると、自分が甘口寄りか辛口寄りかが見えてきます。SAKE LOGで記録するときに、裏ラベルの写真も一緒に残しておくのがおすすめです。
5枚でおさらい
- 01/05味のヒントは裏ラベルに原材料・精米歩合・アルコール分は必ず、日本酒度・酸度は書いてあることが多い情報です。
- 02/05日本酒度:プラスは辛口寄りマイナスなら甘口寄り。お酒の重さ(糖分)から出す数字です。
- 03/05酸度:高いと濃く、辛く感じる酸は甘さを打ち消します。レモンを足すとすっきりするのと同じです。
- 04/052つで味の4タイプ淡麗辛口・淡麗甘口・濃醇辛口・濃醇甘口。方向をつかむ目安に。
- 05/05生酒・原酒も味のヒント生酒はフレッシュ、原酒は濃いめ。裏ラベルの写真もSAKE LOGに残そう。



