日本酒のラベルには、味を想像するためのヒントがたくさん書いてあります。全部を覚えなくても大丈夫。この記事では、「ここを見れば味の方向がわかる」というポイントだけを紹介します。

ラベルには「必ず書くこと」と「書いてもいいこと」がある

日本酒のラベルは、国の表示基準で書き方が決まっています。

必ず書かれているもの

  • 原材料名:「米、米こうじ」など。醸造アルコールがあればここに書かれます。
  • 精米歩合:純米酒や吟醸酒などの特定名称酒では、原材料名の近くに必ずあります。
  • 製造時期:瓶に詰めた年月です。造った日ではないので注意。
  • アルコール分と容量
  • 保存の注意:生酒など、加熱処理していないお酒には「要冷蔵」などが書かれます。

蔵が書くかどうか選べるもの

  • 日本酒度・酸度:甘辛や味の濃さの目安。裏ラベルにあることが多いです。
  • 原料米の品種:山田錦など。その米を半分より多く使ったときだけ書けます。
  • 「生酒」「原酒」などの言葉:造り方の特徴を表します(後半で紹介)。
味のヒントは、裏ラベルに集まっている裏ラベルの例純米吟醸酒特定名称原材料名:米(国産)、米こうじ(国産米)精米歩合:55%磨き具合アルコール分:15度日本酒度:+3甘辛の目安酸度:1.4濃淡の目安製造年月:2026.10瓶詰めした月※数字は説明用の例です。実際の商品ではありません。

日本酒度:プラスは辛口寄り、マイナスは甘口寄り

日本酒度は、お酒の重さ(比重)を測った数字です。糖分が多いとお酒は重くなり、数字はマイナスになります。糖分が少ないと軽くなり、プラスになります。

  • マイナス:糖分が多い → 甘口寄り
  • プラス:糖分が少ない → 辛口寄り
日本酒度は、マイナスほど甘口寄り、プラスほど辛口寄り-6-30+3+6甘口寄り辛口寄り例:+3糖分が多い → お酒が重い糖分が少ない → お酒が軽い※目安です。酸度や香り、飲む温度でも感じ方は変わります。

酸度:高いと味が濃く、辛く感じやすい

酸度は、お酒に含まれる乳酸やリンゴ酸などの量です。酸が多いと味に厚みが出て、しっかりした飲み口(濃醇)に。少ないと、すっきりした飲み口(淡麗)になります。

もうひとつ大事なのが、酸は甘さを打ち消すことです。日本酒度が同じでも、酸度が高いほうが辛く感じます。レモン汁を足すと甘い飲み物がすっきり感じるのと同じです。

日本酒度が同じでも、酸度が高いと辛く感じる酸度 1.0酸度 2.0甘く感じる辛く感じるやわらかく、甘めに甘く感じる辛く感じるキリッと、辛めに糖(同じ量)酸

2つを合わせると、味の「地図」ができる

日本酒度を横軸、酸度を縦軸にすると、日本酒は大きく4つのタイプに分けられます。

日本酒度と酸度で、味は4つのタイプに分けられる濃醇甘口とろっと甘く、こくがある濃醇辛口しっかりした味で、キレがある淡麗甘口やさしく甘く、飲みやすい淡麗辛口すっきり、スッと切れる甘口(日本酒度マイナス)辛口(日本酒度プラス)縦:上ほど酸度が高い(濃醇)、下ほど酸度が低い(淡麗)

ただし、これはあくまで目安です。香りや飲む温度、一緒に食べる料理でも感じ方は変わります。数字は「こっち寄りかな」という方向をつかむために使うのがおすすめです。

精米歩合とアルコール分

  • 精米歩合:米をどれだけ残したかの割合です。数字が小さいほどよく磨いていて、すっきり華やかになりやすい傾向があります(前回の記事で紹介しました)。
  • アルコール分:日本酒は15度前後が多めです。数字が高いとしっかり、低めだと軽やかに感じます。

よく見かける言葉

言葉 意味 味のイメージ
生酒 一度も加熱処理(火入れ)をしていない フレッシュでみずみずしい。要冷蔵
生貯蔵酒 加熱せずに貯蔵し、出荷のときに一度だけ加熱した 生のフレッシュさを少し残す
原酒 搾ったあとに水を加えて度数を調整していない 濃く、アルコール分も高め
ひやおろし 冬に造り、夏を越して秋に出荷する季節のお酒 角が取れて、まろやか
生一本 ひとつの蔵だけで造った純米酒 蔵の個性がそのまま出る
樽酒 木の樽で貯蔵し、木の香りがついたお酒 杉の香りがすがすがしい

生酒・生貯蔵酒・原酒・生一本・樽酒は、表示基準で意味が決まっている言葉です。ひやおろしは基準での定義はなく、業界の習わしとして使われている呼び名です。

まとめ

  • 味の方向を知りたいときは、裏ラベルの「日本酒度」と「酸度」を見る
  • 日本酒度はプラスで辛口寄り、マイナスで甘口寄り。酸度が高いと濃く、辛く感じやすい
  • 「生酒」「原酒」などの言葉も、味を想像するヒントになる

気に入ったお酒の数字を、記録しておこう

「おいしい」と思ったお酒の日本酒度や酸度を並べてみると、自分が甘口寄りか辛口寄りかが見えてきます。SAKE LOGで記録するときに、裏ラベルの写真も一緒に残しておくのがおすすめです。

  • #基本
  • #ラベル
  • #日本酒度
  • #酸度
  • #精米歩合

5枚でおさらい

横にスワイプ
  1. 01/05味のヒントは裏ラベルに原材料・精米歩合・アルコール分は必ず、日本酒度・酸度は書いてあることが多い情報です。
  2. 02/05日本酒度:プラスは辛口寄りマイナスなら甘口寄り。お酒の重さ(糖分)から出す数字です。
  3. 03/05酸度:高いと濃く、辛く感じる酸は甘さを打ち消します。レモンを足すとすっきりするのと同じです。
  4. 04/052つで味の4タイプ淡麗辛口・淡麗甘口・濃醇辛口・濃醇甘口。方向をつかむ目安に。
  5. 05/05生酒・原酒も味のヒント生酒はフレッシュ、原酒は濃いめ。裏ラベルの写真もSAKE LOGに残そう。